遠い神世の昔「天の岩戸」が飛来し、現在の姿になったとい われる霊山・戸隠山。その麓にある戸隠神社は、奥社・中社・宝光社・九頭龍社・火之御子社の五社から成り立ち、創建以来2000年余りに及ぶ歴史を刻んでいます。平安時代末には修 験道の霊場として都にまで知られ、神仏混淆の鎌倉時代の頃には、高野山、比叡山に匹敵する一大霊場として栄えました。また、室町時代には、戸隠信仰は善光寺信仰とセットで流布していたと見られ、多くの僧や参拝者が、戸隠と善光寺両方に参詣した模様を記した道中記が残されています。この善光寺から戸隠奥社へと続く山中の参拝道「戸隠古道」は、善光寺と戸隠の双方を強く結びつけてきました。明治の神仏分離によって縁遠くはなってしまいましたが、近年は再び信仰の道、またハイキングコースとしてコアな人気を集めています。また、近頃は戸隠と善光寺の両方を巡る「両詣」を叶える参拝者も増えていると言われています。双方の歴史的なつながりを知り、かつての参拝者たちに思いを巡らせながら、善光寺を経て戸隠へと足を運んでみませんか。
神話時代、天照大神(あまてらすおおみかみ)が天の岩戸に隠れた時、天手力雄命(あめのたぢからおのみこと)が開けた岩戸 が飛来して現在の姿になったといわれる戸隠山。つまり、戸隠神社は神様によって示された場所なのです。その山中深くにあり、天手力雄命を祀る奥社は、冬になると完全に閉ざされパワーが閉じ込められるため、特に強力なパワースポットとされています。参道は約2km。中間点の随神門から先は樹齢400年の巨木が並ぶ杉並木で、自然の気を全身で感じることができます。